治療内容

当院では中国の伝統医学の理論を基礎とし、日本で培われた伝統的な技法で、一人一人の体質や症状に合わせた治療を行っております。

とりわけ中医学を医学基礎とし、弁証論治(現代医学にいう診断および治療のこと)を行うために、
四診(望・聞・問・切)という診察法を駆使します。


鍼(はり)の施術は、少数(多くて4本程度)をお身体に刺したまま数分過ごして頂く
置鍼(置き鍼)が主な施術内容となります。
お身体がデリケートな状態である場合や、妊婦・乳幼児に至っては接触鍼という
刺さない鍼の施術など負担の少ない方法で施術を行います。

治療の流れ

上記の通り当院では、四診(望診・聞診・問診・切診)により弁証(現代医学に言う診断のこと)を行い個々の病態に応じた治療を行います。

四診:

◎望診:お身体の全体的な形態、顔色、顔面各部の観察 舌診(舌の色や形状)の観察、爪や手足の色、腹部・背部の色や形状や変化など視覚的情報を詳しく分析します。

◎聞診:声色・声量、患部の音や臭気によって、病の性質や体力の程度・病の勢いを分析します。

◎問診:病や症状の発症背景にどういった要因や変化があったのか、また生活習慣がどのように影響しているか
など多岐にわたってお聞かせ頂くことにより、病の原因や性質、予後(今後起こりうる病態の変化)などを分析します。
(とりわけ、当院では患者様からお伝え頂く情報を重視し、初診では約1時間強ほどの詳細かつ丁寧な問診を行います。)

◎切診:望診・聞診・問診から得られた情報を踏まえた上で行います。

 

ⅰ脈診:
寸口(手首)の脈の打ち方(速さ、硬さ、形状など)で体力と病気の力関係、
病気の性質や位置などを分析します。

 

 

 

ⅱ腹診:
腹部の緊張と弛緩や寒熱の分布から、身体の上下左右のバランスや臓腑(内臓)の状況を分析します。

 

 

 

ⅲ背候診:
背部にある経穴を詳しく観察することで、臓腑の異常や空間的バランスなどを分析します。

 

 

 

ⅳ原穴診・切経:
全身をめぐる経絡を代表する原穴や経穴の状況から、臓腑・経絡の異常を分析してゆきます。

 

 

 


このように問診をはじめ、舌診、脈診、腹診など東洋医学独自の診察法を行い、多面的に情報を分析して病苦の病因(原因)と病理(病苦に至るメカニズム)を考察し、現時点での証(現代医学にいう診断)と治療方法を決定します。
そして、それらの分析を効果的に発揮するため、適切な少数の経穴(ツボ)に鍼や灸を行います。
伝統医学の治療理論に基づき、個々の病態や症状にあわせて施術法と施術箇所を決定します。
その際、必ずしも痛みや症状のある部位や周囲に鍼やお灸を施術するとは限りません。
また、一般的に響き(ヒビキ)といわれるような、強い刺激やお灸の熱さを得ないと効果がないと思われる方も居られるようですが、強い刺激は身体を損傷したり負担を与えることも多いため、身体にダメージを与えかねない治療は当院では行っておりません。
無理な施術は行いませんのでご安心ください。疑問に思われる際はお気軽にお尋ねください。
(当院では電気鍼・按摩・指圧マッサージは一切行っておりません。)